第31回粉体工学会論文賞を受賞

界面制御工学研究室での研究成果をまとめた下記論文が,2012年度(第31回)粉体工学会論文賞を受賞しました。

論文タイトル:液レベル制御式移流集積法を用いた金ナノ粒子自己集積膜の構造制御
著者:花房竜也(2012年度修士課程修了),三野泰志(2012年度博士後期課程修了),渡邉 哲,宮原 稔
掲載誌:粉体工学会誌,49, 356-361 (2012)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sptj/49/5/49_356/_article


受賞理由:ナノ粒子のパターニングや精密配置など,ナノ粒子の配列構造を高度に制御する研究が盛んに行われている。従来,種々のテンプレートを利用した粒子配列制御が行われてきたが,この方法ではナノ粒子の配列構造体を作製するために,まずテンプレートの微細加工が必要になる。そのため,近年ではテンプレートフリーでの粒子配列手法の確立が待たれている。
本論文は,このような観点から,筆者らが独自に開発した液レベル制御式移流集積法を用いて,テンプレートフリーの条件で金ナノ粒子をストライプ状に集積し,そのプロセス因子と形成される粒子膜構造との関係を明らかにしている。粒子堆積部体積と集積時間との関係がメニスカス先端部の物質収支に基づくモデル式を用いて予測可能であることを示すとともに,ストライプ状粒子膜の形成を複数回重ねることで格子状ならびに三角形状ネットワーク構造の作製にも成功している。
以上のように,本論文の内容は学術的に優れ,かつ,得られた知見は極めて有用性が高い。よって,粉体工学会論文賞に値するものと判断した。

2013年06月12日