研究内容

当研究室(4講座)では高度な分離工学の確立を目指し、吸着、乾燥、電界、生物、等、多様な原理に基づいた分離操作・装置の開発を行っています。 また、ナノホーン等の新しいナノ材料の分離工学への応用を模索しています。さらに、食品や医薬品を対象とした凍結と乾燥に関わるプロセス技術研究等の研究を行っています。

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1.金属―炭素複合材料による水素貯蔵用吸着剤の開発

ガス導入水中アーク放電法によって金属ナノ粒子が分散したカーボンナノホーンを合成し、高圧下における水素吸蔵特性を調べている。この構造の材料では水素Spillover効果が起こることが分子軌道法によって示されており、同法により安価で高性能の水素吸蔵材料を作製できる可能性がある。

図1. アーク放電を利用して合成したPd-Pt合金ナノ粒子分散カーボンナノホーンの透過顕微鏡写真

2.誘電泳動による微粒子分離技術の開発

レアメタルの回収やナノ材料の高純度化を行う方法として,誘電泳動力を利用した微粒子分離技術の開発を行っている。カーボンナノチューブを電極に用いることにより、従来の誘電泳動分離では分離が困難な場合に適用できる装置を開発する。

図2. 炭素粒子が誘電泳動力で捕集される様子

3.乾燥を基礎とする食品構造の制御

食品は分子サイズからナノ・ミクロンサイズに至る非常に広範なスケールの構造を有している。 食品の持つ様々な機能性はこれらの構造と強く関わっている。食品中の水分の移動を巧みにコントロールできるプロセスの開発 を通じて、食品にあたらしい機能を付与させるための研究をしている。

図3. 乾燥リンゴのX線CT像(上).栄養成分を内包するサブミクロンサイズの
食品カプセルの透過顕微鏡像(下).


図4. アガロオリゴ糖のモデル構造の模式図

4. 量子化学的手法に基づく固体表面の吸着構造解析

分子軌道法を考慮した計算により,種々の吸着系における吸着分子と表面との吸着構造・吸着エネルギー等の微視的知見を得ることで,吸着剤設計開発指針の構築を目指している。

5.高感度蛍光検出による微粒子の乾燥、凝集の状態の迅速解析法の開発

微粒子に紫外線を照射して微量発生する蛍光を高感度に検出し、その特性から微粒子の乾燥状態や凝集状態を非接触で迅速に評価する新しい方法の開発を行う。