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京都大学 工学部 工業化学科 化学プロセス工学コース

よくある質問
過去のプロセス設計における質疑応答などをもとに,FAQ を作成しました。プロセス設計に取りかかる前に必ず読んでください。

Aspen ONE (Aspen HYSYS etc.) を使用する際のトラブル(使い方がわからないなど)については,所属研究室の教員に尋ねてください。研究室内で解決できなかった問題に関しては,まず,本ウェブサイトに設置してある掲示板で質問してください。それでも解決されなかった場合のみ,状況を明確に説明できるだけの資料を準備した上で,プロセスシステム工学(PSE)研究室まで来てください。また,訪問前に必ずメールか電話でPSE研究室スタッフの都合を確認してください。必要であれば,各自の作業ファイルを一緒に持ってきてください。

設定編
Q. インストール方法を教えて下さい。

資料/ファイルのページにある「インストール関連ファイル一覧」を参照してください。
パッチも忘れずにインストールしてください。

基礎編

Q. 物性推算式について教えて下さい。

物性はプロセス設計結果の品質を決定的に左右します。たとえば,
 ・Reference Guide AspenCOMThermo
 ・Simulation Basis AspenHYSYSSimBasis
のマニュアル(PDFファイル)を読んで下さい。
必要があれば,物性推算のカスタマイズが可能です。

Q. エラーが出なければ,正常な設計ができているのですか?

例えば熱交換機について,HYSYS上では熱だけを移動させることができます。したがって,低温流体で高温流体を加熱することが,熱収支上可能になります。しかし,考えるまでもなく,これは実現不可能です。各自の常識を駆使して,必ずシミュレーション結果を検証して下さい。その他に注意すべき点としては,蒸留塔でフラッディングがおこっていないか,装置(配管)の中を流体が超音速で流れていないかなどがあります。

Q. Light key, Heavy key とは何ですか?

蒸留塔やフラッシュドラムで,塔頂側流体の中の高沸限界成分がHeavy keyで,塔底側流体の中の低沸限界成分がLight keyです。

Q. HYSYSを利用した気液平衡線図の作成方法を教えて下さい。

資料/ファイルのページにある「Equilibrium Plots Extension」を使用して下さい。

Q. HYSYSを利用した液液平衡線図の作成方法を教えて下さい。

残念ながら,HYSYSに任意の温度における液液平衡線図を作成する機能があるかどうか把握していません。もし,どうしても液液平衡線図が必要であれば,デカンターを利用して液液平衡線図が作成できないか工夫して下さい。

Q. 蒸気圧はどのように計算するのでしょうか?

ストリーム上で沸点計算を行う必要があります。ストリームの温度とVapour fractionをゼロ (Vf=0)と指定します。計算される圧力がその温度での蒸気圧になります。Case study機能を使えばグラフ化することも出来ます。

Q. 装置ごとに物性推算式を使い分ける方法を教えて下さい。

蒸留塔と反応器で異なる物性推算式を用いる場合,まず,使用する物性推算式の候補をSimulation Basis ManagerのFluid Pkgsにて作成します。このとき,Basis-1,Basis-2,Basis-3,・・・というふうに作成されます。蒸留塔については,Simulation Basis ManagerのFluid PkgsにおけるFlowsheet-Fluid Pkg Association に蒸留塔名と物性推算式(デフォルトではBasis-1)が表示されていますので,この物性推算式の部分を変更して下さい。反応器については,Simulation Basis ManagerのReactionsにおける右下のAssoc.Fluid Pkgsにて物性推算式を変更できます。

Q. 反応速度式の次数の設定方法を教えて下さい。

反応速度式の次数の設定方法は,マニュアルを参照して下さい。Forward and Reverse Ordersが反応速度式の次数になります。

Q. PFDの階層について教えて下さい。

HYSYSのPFD表示画面には,詳細度の異なる複数の階層があります。例えばPFD Case (Main)画面における蒸留塔には,フィード,留出液,缶出液流れの矢印しか表示されていませんが,その1階層下のPFD画面では,蒸留塔の還流液流れ,リボイラーからの炊き上げ蒸気流れなどが表示されます。各流れの名前は,ユーザーが設定しない限り,基本的に階層が異なっていても同一の名前が使用されます。また,詳細なPFD画面では一部の流れにデフォルトでTo_Reboilerなどの名前が与えられます。いずれの階層でも,表示されている流れを削除することができます。

Q. エラーメッセージによってシミュレーションを中断させないようにする方法はありますか?

エラーメッセージをTrace Windowに表示させることによって、ユーザーに確認を求めたり、シミュレーションを中断しないようにすることができます。Trace Windowにエラーメッセージを送るにはTools - Preference メニューに行き、Optionsのページのチェックボックス"display warnings"と"numerical errors in the traice window"をチェックします。preference setを特にセーブする必要はありません。画面を閉じると、それまでに設定した状態が自動的にセーブされます。

Q. 計算中に"Can't find Temperature at specified Conditions"と警告します。これは何ですか?

一般的に、臨界点を越えている圧力とVapor Fraction を指定している場合に温度が計算することができないためです。だからといって、HYSYSが臨界状態を計算しないということを意味するわけではありません。その際には、Vapor Fractionではなくて温度と圧力を指定する必要があります。

Q. "A consistency error has occured"というエラーメッセージがでました。これは何を表しますか?

"A Consistency error has occured"というメッセージはHYSYSケース中にオーバースペック(ユーザーが条件を指定しすぎ)が存在し、一部の条件が衝突し不整合な状態が発生したということを意味します。最も簡単な例では、圧力と温度と流体組成をユーザーが指定しているにもかかわらず、Vapour Fractionまで指定したために、HYSYSが計算してきたVapour Fraction値と異なる場合があります。

Consistency Errorを取り除くことは非常に重要です。Consistency errorの画面にはどこで不整合な衝突が発生したか、またそれぞれの計算の原因となるオブジェクトが何かを表示して、ユーザーが原因を調べるのを助けてくれます。大体において、原因となるオーバースペックを一つ削除することによって解決します。上記の例では、Vapour Fraticon, 温度, 圧力のうち一つの値を削除すればよいということになります。

Consistency Error が発生するとHYSYSは自動的に計算モードをHoldにします。再度計算を行うために、Solver Activeボタン(青信号ボタン)を押して計算を実行します。

Q. 成分を追加しようとしていますが、ライブラリー成分リストにて見つけることが出来ません。どこをチェックしたらよいですか?

もし成分がProperty Packageに対して使用することが不適切な場合、デフォルトではHYSYSは表示しません。例えば、ケトン類をFluid Packageに追加しようとしているときに、Peng Robinsonのような状態方程式モデルを選択していたとしたら、component filterのketoneでは何も表示されません。これは、ketoneは非常に非理想性の強い液体で、Peng Robinsonの様な状態方程式よりもNRTLやUNIQUACの様な活量係数モデルがもっとも適しています。もし、property packageにNRTLを選択したら、ketone類が表示されます。活量係数モデルは低い圧力でのみ利用可能でシミュレーションモデルはinteraction parameterに依存し高圧系での外挿計算には限界があることには注意が必要です。

活量係数モデルを利用する代わりに、PRSVというパッケージを利用する手もあります。PRSVは非理想性のいくつかの成分を考慮に入れた状態方程式モデルです。それほど非理想性が強くない液、気体で、高圧系ではもっとも精度よくシミュレーション出来る物性パッケージです。詳細はHYSYS マニュアル中にあります。(Simulation Basis Appendix A) PRSVを用いれば、ケトンやアルコールといった成分は追加することが出来るようになります。

推薦されていないとしても、PRなどの状態方程式で、非理想性液体を使用したい場合は、先に成分を選択してから、気液平衡関係を選択します。HYSYSは警告メッセージを出して、それらの成分はその物性パッケージに適合しない旨表示されますが、"keep component"を選択します。

ライブラリー成分リストの一覧をみたい場合には、Fluid PackageのProp Pkgタブの"Component Selection Control"グループ中のラジオボタンを"Full Pure Component Library(Including Non-Recommended Componens)"にすることによって可能になります。選択されたProperty Packageにて使用することが推薦されない成分については左側にXマークが表示されます。


単位操作編
Q. 蒸留塔の設計方法を教えて下さい。

UnderwoodやFenskeの式を用いて最小還流比および最小理論段数を求め,その結果をもとに蒸留塔の概略設計を行い,それから詳細シミュレーションを行って最適な運転状態を探す。これが蒸留塔の一般的な設計手順です。適当な段数と還流比を与えて試行錯誤で設計条件を求めるという方法では,これまで化学工学で学んできたことが役に立ちません。蒸留塔のショートカットモデルに関しては,マニュアルを参照してください。

Q. エキスパンダーの利用方法を教えて下さい。

ガスの減圧にエキスパンダーを利用して,動力を得ることができます。発生した動力は対象プロセス内のコンプレッサーの動力源として利用できます。なお,エキスパンダー出口は気体でなければなりません。また,エキスパンダーの装置コストは,発生する動力と等しい動力を必要とするコンプレッサーの装置コストに等しいものとします。さらに,発生した動力を電気として売却することはできないとします。

Q. Three Phase Condenserの設定方法を教えて下さい。

Three Phase CondenserでChemicalを選択すると,Light Reflux, Heavy Reflux, Light Outlet, Heavy Outlet の4つの液流れができます.それぞれの流れに名前を付けるには,Column設定画面-Column Environmentを選択し,コンデンサー設定画面中の各流れ下のボックスに名前を直接入力して下さい。また,Light RefluxとHeavy RefluxのRatioを別々に与えるためには,Column SpecificationにReflux Ratioを2つ加え,lightとheavyを設定し,それぞれにRatioを与えて下さい。

Q. 電気代は考慮しなくても良いのですか?

コンプレッサーについては,15\/kWhとして考慮して下さい。なお,課題中に指示がある場合は,その指示に従って下さい。

Q. コンプレッサーの等エントロピー効率の設定方法を教えて下さい。

等エントロピー効率は,Adiabatic efficiencyに入力して下さい。Adiabatic efficiencyとPolytropic efficiencyの違いについては,マニュアルを参照してください。

Q. コンプレッサーを用いた多段圧縮方法,許容温度について教えて下さい。

圧縮率と所要動力は線形の関係ではありませんので,一段で圧力をあげるのは得策ではありません。さらに,下記の2点を考える必要があります。
1)圧縮される流体は,温度が高くなっても安定した物質か?を考えます。不飽和炭化水素などでは重合したりしますので70〜80Cに抑える場合もあります。また,多段の場合その段間で冷却するとよいのですが,
(a)冷却温度が低いと固体析出やハイドレート生成に注意してください。
(b)段間で冷却した場合に液が出る場合,その液の処理をどうするか?リサイクルするかとか他へ送るかとか検討してみてください。
2)機械的な上限温度もあります。圧縮機の形式にもよりますが熱膨張や軸受け部の材質が温度が高いともたない場合がありますので(経済的なことも含めて)100〜200Cが上限ということになるでしょう。

Q. 加熱炉の設計方法を教えて下さい。

加熱炉とは,耐火断熱煉瓦などで装置全体を覆い,耐熱性の高い配管を用いて管内流体を加熱する装置であるわけですが,加熱の65〜75%は輻射伝熱によるものです。ただし,HYSYSでの計算を簡単にするため,便宜上,常温のヘキサンと空気を混ぜて完全燃焼させて900℃の気体をつくり,この気体を受熱流体と接触させることにします。したがって,900℃の燃焼ガスをプロセス内の熱交換機で直接利用するというのは非現実的です。一方で,加熱したい液体を加熱炉内に送り込んで加熱するという発想に辿り着くかもしれませんが,有害な物質を加熱炉に送り込むのは避けたいところです。やはり,水を送り込んで高温のスチームを発生させ,その潜熱をプラント内各所で利用するというのが自然です。なお,加熱炉から排出される(スチーム生成後の)排ガスの熱回収を行うことは,通常行われています。

Q. PFRの直径と長さの比について教えて下さい。

断熱反応器の場合は,L/D=2〜4で,規格のある切りの良い直径になるように決めましょう。ただし,Lの上限は実質的に10m程度です。伝熱がある場合には,熱安定性の条件を満たすようにDを決めなければなりません。なお,多管型の場合は,1本の反応管の直径が熱安定性で決まります。
触媒の保持方法と形状は重要です。固定床形式で,触媒もある程度の粒径(数ミリ程度の円筒形か球形)を用いるPFRの場合,実際の設計では,SV(空等速度)を決めて,それを用いる場合が多い。SV値は触媒がTube 側でもShell側でも大きくは変化しない。実際,触媒開発担当がベンチテストかパイロットテストを行います。ある例では,25mm直径×1m程度の反応器(触媒試験設備)を作製し,SV,反応率,熱伝達,副反応や組織の劣化や破損などを調べる劣化・耐久試験を行ないます。これによって,触媒の評価や設計条件を考察するデータが得られます。SV値は,一般的に1〜3 m/s 程度(水素を製造する水蒸気改質などではもっと速い)。触媒形状が細かい場合,圧力損失も大きくなり,圧力損失による反応圧力の変化の寄与についての検討も要します。
触媒形状も拡散(触媒への拡散と触媒内の拡散)も実験できない状況では,SVを与えて決めるのがよいでしょう。SVを与えると,触媒通過断面積が決まり,滞留時間から長さが決まることになるでしょう。
石油分野のプラントの液相反応のPFRなどでは,LHSV (Liquid Hourly Space Velocity)という指標を使用する事もあります。この指標で,PFR内の滞留時間は数十秒(20-50sec)程度となる反応器もあるようです。

Q. 濡れ壁塔について教えて下さい。

円柱状の管内に液を落下させる場合に,簡単なのは液をためる所を上部に作り,その下から少し突き出るようにに円柱を取り付けて,液が超えて流れ込むようにする方法があります。この場合,円柱状の管が垂直でないと流れているうちに偏って液膜のある部分と無い部分(乾いた部分)が出来ますので,あまり長くは出来ないでしょう。ある程度の長さにしたら,液を集めて再度分散するように考えないといけないでしょう。(充填塔でも充填層の高さは限界があって、5−6m/層毎に集めます)
工業的に工夫されているものは,各円柱状の管へ液を各々供給するものがあり,液を供給する場合に多点の穴から液を斜めに出して,旋回流とするような工夫があるようです。旋回させることにより垂直度に誤差があっても壁の乾いた部分が発生することを防いでいます。


ユーティリティ編
Q. スチームの利用方法を教えて下さい。

通常,スチームを利用した加熱には,その蒸発潜熱分のみを利用します。この理由は,水の蒸発潜熱と比熱を比べれば明らかです。したがって,スチームの出口温度は入口温度に等しいとします。もし,出口温度が下がるようであれば,スチームの流量を増やしてみて下さい。

Q. 冷媒を売却しても良いのですか?

冷媒を燃料として売ることはできません。与えてある冷媒コストは,冷媒を循環させて再利用するために必要なコストです。したがって,売却すれば,冷媒そのものがなくなってしまいます。

Q. 人件費は考慮しなくても良いのですか?

課題で特に指定されていなければ,考慮する必要はありません。

Q. 生産量がその要求量を超えた場合,過剰生産した製品は売却できますか?

生産要求量を越えて生産された製品は過剰在庫となるため,その製品価値はゼロとします。


発表編
Q. 課題すべてについて発表する必要はありますか?

同じテーマに取り組んでいるグループが複数ある場合,発表会で,与えられている課題(設定や仮定)について繰り返し説明する必要はありません。最初に発表するグループを除き,明らかに時間の無駄です。必要最低限の説明にしてください。
実際,
  1.最終的なプロセスのフロー
  2.最終的なプロセスフローに到達した理由(他のフローとの比較)
を中心に,自分たちのグループのオリジナリティーを主張して下さい。どんな問題に直面し,その問題をどのように克服したか,どんな工夫をしたかなどについて説明してもらえると良いでしょう。必死でヒートインテグレーションを考えたグループもあるでしょうし,分離シーケンスの最適化を頑張ったグループもあるでしょう。とにかく,自分たちはここを頑張った,この点に関しては誰にも負けないぞ,という部分を発表して下さい。なお,後に提出してもらうレポートでは,全ての課題,全ての結果,全ての考察について詳しく説明して下さい。

Q. 他グループの発表も聞くべきですか?

当然です。特に,自分たちと同一のプロセスを対象としているグループの発表は,内容もわかりやすく,参考になる点や疑問に思う点などが多々あると思います。自分の発表さえ終われば後は知らないというような無責任な態度はやめましょう。遠慮せずに,積極的に質問もして下さい。

Q. スライド作成時の注意点を教えて下さい.

1.PFDを示す
見づらいので,HYSYSソフトウェアのPFDをそのまま転用するようなことはやめましょう。さらに,主要な流れ中の主要物質の流量,温度,圧力をPFD中に書き込んで下さい。プロセスフローを最初に説明するときには,細かい情報は不要ですが,最終フローを示すときには,主要な流れ中の主要物質の流量,温度,圧力は不可欠です。

2.最終利益に重点を置かない
「いかに多くの利益をあげるか」ということが,本プロセス設計の最大の目的ではありません。適切なプロセスフローの選択,各装置の設計,ヒートインテグレーションも含めた最適化などが重要なのです。それらの項目について検討した内容を,具体的に発表して下さい。コスト計算について,何枚ものスライドを費やして説明するようなことは避けて下さい。

3.結果の羅列ではなく,考察した内容を発表する
「HYSYSに計算させたら,こんな結果になりました」という発表は,ほとんど無意味です。「じゃ,君達は一体何をやったのか?」ということになってしまいます。どういう考察に基づいて,初期のプロセスフローを構築したのか。そのフローのどこが問題で,どのように問題を解決しようとしたのか。最適化するに際して,どういう根拠で,評価関数や最適化変数を選択したのか。また,どんな仮定を導入したのか。こういう部分を詳しく説明して下さい。

4.聴衆の身になってスライドを作成する
学会などに行くと,自己満足にしかなっていない発表に出会うことがあります。Powerpointのアニメーション機能を使おうと考えているグループは,よく考えて下さい。カラフルなスライドも,一歩間違えれば,見にくいだけです。

Q. 発表時の注意点を教えて下さい。

1.原稿は見ないことが原則

どうしても覚えられなかったら仕方ないのですが,原稿を見ながら発表するのは邪道です。研究発表を考えると,自分で研究したことを自分の言葉で語れないというのは変です。本当にお前がやったのか?ということになります。しかも,母国語での発表にもかかわらず,原稿を見るようでは,プレゼン能力の欠如をアピールしているようなものです。厳しい言い方かもしれませんが,そんなものです。なお,原稿通りに発表する必要はありません。勘違いしている人もいますが,大切なのは,言うべき内容を言うことであって,言い回しなんかどうでも良いのです。発表がうまくなるには,練習しかありません。

2.ゆっくりと大きな声で話す

本番は緊張するので,どうしても早口になりがちです。練習の時から,ゆっくりと大きな声で話すよう,心掛けて下さい。聴衆に理解してもらえなければ,その発表は無意味です。理解してもらうためには,見易いスライドを用いて,懇切丁寧に説明するしかありません。ボソボソと呟くなんて論外です。学会発表で呟いている研究者もいますが,最悪です。

3.適切にポインターを使う

原稿を見るなと主張する理由の1つは,スライドを活用できなくなるからです。原稿に目がいくと,どうしてもポインターを適切に使えなくなります。原稿とスライドを同時に見ることは不可能ですから.原稿を見るにしても,見ないにしても,しっかり練習して,適切なタイミングで,適切な場所を指せるようにして下さい。たまにポインターを振り回す人を見かけますが,最悪です。

4.質問には的確に答える

質問に的確に答えることは極めて重要です。質問されたときに,何を聞かれているのかを,質問の本質を,瞬時に理解しなくてはなりません。そのためには,発表内容を完全に理解している必要があります。結局,どれだけよく考えてプロセス設計に取り組んできたかが問われるのです。的確に答えられないということは,作業はしたかもしれないが,脳味噌は使っていなかったということです。なお,質問を受けそうな内容が予測できている場合には,質問対策用のスライドを用意しておくと良いでしょう。


レポート編
Q. フォーマットについて教えて下さい。

資料/ファイルページの配布資料欄,および,過去のレポートを参考にして下さい。以下の注意事項も厳守して下さい。

1. 余白

レポートは製本しますので,製本した状態でも読めるように,左側に十分な余白を設定して下さい。

2. 章と節

レポートは章と節で構成し,それぞれに通し番号を付けて下さい。

3. 図表

図および表には,必ず番号とタイトルを付けて下さい。図番号とタイトルは図の下側に,表番号とタイトルは表の上側に書いて下さい。なお,番号は,図および表のそれぞれについて通し番号として下さい。

4. 当然のこと

レポート内でフォントや文字サイズが変わったり,図表の書き方が変わったりしてはいけません。1つのレポートして完成したものでなければなりません。あまりに当然すぎて,書く必要もないようなことですが,違反者が少なくないので念のため書いておきます。

Q. 参考文献リストは必要ですか?

必要です。図,表,あるいはデータなどを文献から借用した場合には,必ず参考文献を明記して下さい。反応速度式や反応速度定数を自分で実験して求めるグループはないでしょう。文献を調査して見付けてきたはずです。それにもかかわらず,レポートに文献が記載されていないのは,詐欺みたいなものです。他人の成果を他人の成果として正しく認めることができる研究者・技術者になるよう心掛けましょう。また,参考文献が書かれていないと,式やデータを信用することができません。参考にした文献は参考文献として必ずレポート中に書きましょう。

Q. 設計結果はHYSYSのPFDとWorkbookを貼り付けておけば十分ですか?

そんなわけはありません。HYSYSのPFDを図として利用するなら,そのPFDに示されている内容を文章で説明して下さい。HYSYSのWorkbookを表としてそのまま利用するなら,各変数の説明や,どのような条件で計算したときの結果なのかを,きちんと文章で説明して下さい。図や表を掲載するだけで全く説明をしないというのは決してしてはいけない手抜きです。レポートとしては最低レベルです。

Q. コスト計算については,結果だけ書けば十分ですか?

結果だけでは無意味です。各装置の建設コストや運転コストの算出に用いた計算式を明示して下さい。

Q. その他,レポート作成時の注意点を教えて下さい.

まず,まともな日本語で論理的な文章を書いて下さい。提出前に徹底的に見直して下さい。

設計結果について十分に考察を加えて下さい。「こんな結果になりました」だけでは全く無意味です。知恵のある大学生のすることではありません。ちなみに,考察とは妄想のことではありません。きちんと根拠も示して下さい。

提出したレポートだけを見て,第三者が完璧に追試できる。これが優れたレポートの必要条件です。