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粒子帯電制御研究会20112012年度活動報告

Activity Report of Research Group on Particle Charge Control, 2011-2012

 本研究会は,粒子の帯電に伴う諸現象および応用に関する情報を共有しながら,この領域の基盤を固めていくことを目的として2004年に設立された。この9年間で20回の講演会を開催し,参加者は延べ944名を数えた。以下に,20112012年度の活動状況を記す。

 2011年度,第1回(通算第16回)研究会は,622日(水),同志社大学・東京オフィスで,「今,知りたい帯電理論の基礎と応用」をテーマに4件の講演がセミナー型式で行われた。接触帯電理論に加えて,その応用性,拡張性が紹介された。参加者は59名であった。


1.
「粒子の接触帯電理論(基礎)」 (京都大) 松坂 修二

2.「接触電位差に基づく粒子の電荷制御(応用)」 (京都大) 松坂 修二

3.「接触帯電の理論(展開)」 (創価大) 松山 達

4.「放電緩和の理論」 (創価大) 松山 達
 

 2011年度,第2回(通算第17回)研究会は,129日(金),同志社大学・東京オフィスで,「有機・高分子粉体の電子状態ならびに帯電機構の解明に向けて。計算,モデル,実験結果から分かること」を主題として3件の講演が行われた。分子軌道法による計算,摩擦による高分子鎖の切断に基づく帯電モデル,光電子分析等の結果から得られた知見を共有することを目的として企画されたものであり,参加者は42名であった。

 

1.「高分子接触帯電の計算化学的アプローチ」 (同志社大) 白川 善幸

2.「粉体の摩擦帯電機構−メカノアニオンからメカノラジカルへの電子移動反応」 (静岡県立大) 坂口 眞人

3.「光電子分析による有機材料の真因性・外因性電子準位の観測」 (千葉大) 石井 久夫

 

 2012年度,第1回(通算第18回)研究会は,118日(水),同志社大学・東京オフィスで,一般社団法人日本粉体工業技術協会・静電気利用技術分科会(コーディネータ:同志社大学工学部教授 日高 重助,副コーディネータ:創価大学 工学部教授 松山 達,代表幹事:ホソカワミクロン株式会社 畠中 伸)との共催として行われた。講演は6件であり,参加者は48名であった。

 

1.「粒子帯電現象の基礎と不思議」 (ユーテック) 竹内 学

2.「微小領域における表面電位測定」 (トレック・ジャパン) 上原 利夫

3.「静電粉体噴霧を利用した新圧縮成形技術」 (菊水製作所) 小根田 好次

4.「静電気による微粒子挙動の精密制御と新応用技術」 (早稲田大) 川本 広行

5.「粉体流量センサーの鉄道車両用ブレーキ技術への応用」 (鉄道総研) 具嶋 和也

6.「静電粉体塗装による機能塗膜の形成」 (LIXIL) 中大路 裕貴

 

 2012年度,第2回(通算第19回)研究会は,326日(月),同志社大学・東京オフィスで,「高分子摩擦帯電の最近のトピックス」をテーマに3件の講演が行われた。高分子摩擦帯電の最近の気になる情報の共有化と今後の課題の抽出のために総合討論が行われた。参加者は39名であった。

 

1.「帯電量測定用標準キャリアによるトナー帯電量の標準化とトナー帯電特性評価」 (キヤノン) 多田 達也

2.「電荷緩和モデルに基づくトナーの帯電機構」 (沖電気工業) 長谷川 達志

3.「帯電水の介在を仮定した高分子フィルムの摩擦帯電機構」 (千葉大) 星野 勝義

 

 2012年度,第3回(通算第20回)研究会は,88日(水),同志社大学・東京オフィスで,「外添による粒子帯電制御の最近のトピックス」をテーマに3件の講演が行われた。電子写真用トナーの外添による粒子帯電制御技術の最近の気になる情報の共有化と今後の課題の抽出のために総合討論が行われた。参加者は43名であった。

 

1.「シリカ/チタニア複合酸化物の特性とその応用事例」 (日本アエロジル) 戸崎 雄介

2.「トナー・キャリア界面のCCA粒子によるトナーの帯電制御機構」 (森村ケミカル) 須賀 淳

3.「トナー・キャリア界面に供給する外添CCA (EA-CCA) による帯電制御」 (森村ケミカル) 常見 宏一

 

本研究会の予定と履歴は,次のサイトに掲載されている。
www.cheme.kyoto-u.ac.jp/9koza/G_electrostatics/default.html
 (京都大学 松坂 修二)