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粒子帯電制御研究会2009〜2010年度活動報告
Activity Report of Research Group on Particle Charge Control, 2009-2010
本研究会は,粒子の帯電に伴う諸現象を解明し,その応用に関する情報を提供しながら,この領域の基盤を固めていくことを目的として2004年に設立された。この7年間で15回の講演会を開催し,参加者は延べ713名を数える。
2009年度,第1回(通算第11回)研究会は, 3月12日(木),同志社大学,東京オフィスにて開催された。主題は,「粒子の衝突帯電の基礎から最近のトピックスまで」であり,2件の講演が行われた(参加者は34名)。
1.「粒子の衝突帯電について(第1部)」
(創価大)松山 達
2.「粒子の衝突帯電について(第2部)」
(創価大)松山 達
本講演では,1個粒子の衝突帯電実験とその評価および放電(電荷)緩和理論が詳細に解説され,バルク系での粉体帯電の評価も議論された。
2009年度,第2回(通算第12回)研究会は,9月3日(木),労働安全衛生総合研究所で「粉体の帯電と安全」を主題として2件の講演が行われた。また,土砂崩壊防止,粉じん爆発,電気グループ粉体関連実験の見学会も開催された(参加者は38名)。
1.「グラスライニング反応容器用撹拌帯電試験装置の開発」
(労安研)山隈瑞樹
2.「粉体塗装中の空間電荷密度測定」
(春日電機)最上智史,(労安研)大澤 敦
講演1は,グラスライニング容器内の攪拌帯電現象に関するものであり,低導電率液体と非溶解性粉体からなるスラリの帯電実験結果が紹介された。講演2は,トリボガンを用いた粉体塗装の帯電および粉体輸送空間の電荷密度に関するものであり,粉体塗装の効率化と安全性が議論された。
2009年度,第3回(通算第13回)研究会は, 12月1日(火),八王子市学園都市センターにて,第47回粉体に関する討論会の「粉体の静電気現象」のセッション(共同企画)として開催された。本セッションは招待講演が5件,一般講演が8件であり,参加者は55名であった。招待講演の題目および講演者は以下のとおりである。
1.「メカノイオン電子移動反応に基づく有機高分子粉体の摩擦帯電機構」
(静岡県大)坂口眞人
2.「接触帯電における電子移動のモデル化」
(同志社大)白川善幸
3.「伝導パスモデルに基づくトナー帯電メカニズム」
(横浜国大)水口 仁
4.「高分子の摩擦帯電列と分子特性」
(元北海道大)市川恒樹
5.「高電気抵抗材料の光電子分析:有機エレクトロニクスのバルク・界面電子構造の探索」
(千葉大)石井久夫
2010年度,第1回(通算第14回)研究会は, 3月23日(火),同志社大学,東京オフィスにて開催された。主題は,「微粒子の静電ハンドリング」であり,4件の講演が行われた(参加者は28名)。
1.「微粒子の静電ハンドリングに向けて」
(京都大)松坂修二
2.「誘電泳動による細胞配列と高収率細胞融合」
(東京大)鷲津正夫
3.「静電力を利用したマニピュレーション」
(東京大)樋口俊郎
4.「電磁力の作用する粒子の動力学とその月面探査技術への応用」
(早稲田大)川本広行
2010年度,第2回(通算第15回)研究会が, 8月30日(月),同志社大学,東京オフィスにて開催された。主題は,「最新,粉体塗装技術情報」であり,竹内学先生を特別幹事として迎え,粉体塗装研究会の協賛により4件の講演が行われた(参加者は45名)。
1.「静電粉体塗装に関する最近の話題」
(粉体塗装研究会)竹内 学
2.「静電粉体塗装プロセスにおける最新技術動向」
(旭サナック)柳田建三
3.「粉体塗装システム」
(日本パーカライジング)森田忠夫
4.「メタリック粉体塗料について」
(大日本塗料)山本義明
本研究会の予定と履歴および詳細情報は以下で得られる。www.cheme.kyoto-u.ac.jp/9koza/G_electrostatics/default.html (京都大学 松坂 修二)