−談話会・部会グループ会報告−

粒子帯電制御グループ会活動報告

 粒子の帯電は,粉体のハンドリングに関係する基礎的な現象であり,帯電の制御には多くの関心が寄せられている。 例えば,供給,輸送,流動層,粉砕,混合,貯蔵などの単位操作では,付着,凝集,放電,着火などの問題が指摘されている。 また,電気集塵,電子写真,粉体塗装,静電分離,微粒化,配列・配向制御,計測など,静電気を利用した応用技術にも注目が集まっている。 しかし,粒子の帯電機構や帯電粒子の挙動は,必ずしも十分に解明されているとは言えず,ノウハウに依存しているところが大きい。
 本グループ会は,このような背景を踏まえて,粒子帯電のメカニズムや現象の解明,帯電の制御,応用について検討するために2004年に発足した。 また,産・学・公を含めた情報交換の場としての機能も果たしている。年に2回の講演会あるいは発表会を開催し,基礎研究,応用研究, 生産現場で直面する問題を取り上げ,これまで分散していた研究成果の体系的な整理と帯電制御法の確立に向けて取り組んでいる。

2004年度の活動
第1回 グループ会(講演会および見学会)
日時:2004年4月20日(火)13:00〜18:00
場所:京都大学 桂キャンパス
講演および討論:
1.「粉体・粒子の帯電」 (京都大)増田 弘昭
2.「静電噴霧法による液滴・イオンの発生と応用」 (広島大)奥山 喜久夫
3.「電子写真現像剤(トナー)の帯電−機構,制御,測定」 (茨城大)竹内 学
4. 総合討論
見学会:京都大学 工学研究科 粒子系工学分野
参加者数:50名

第2回 グループ会(粉体工学会2004年度秋期研究発表会シンポジウムとして開催)
日時:2004年11月12日(金)9:10〜16:45
場所:幕張メッセ国際会議場
主題:粒子の帯電現象の解明と帯電制御へのアプローチ
特別講演1「高分子粉体の熱刺激電流(TSC)スペクトロスコピー」 池崎 和男
特別講演2「粉体の輸送帯電特性と粉じん爆発災害の防止」 (産総研)荷福 正治
研究報告および技術報告 13件
参加者数:75名
備考:2004年度秋期研究発表会論文集

2005年度の活動
第1回:通算第3回 グループ会(粉体工学会第41回夏期シンポジウムとして開催)
日時:2005年8月4日(木)13:00〜5日(金)16:40
場所:関西セミナーハウス(京都)
主題:粒子と静電気に係わる最近の研究開発と応用技術
特別講演1「粉体の帯電に関する最近の展望」 (東京理科大学)村田 雄司
特別講演2「帯電から見た電子写真用現像剤の組成および現像器構成の研究」 (コニカミノルタビジネステクノロジーズ)伊藤 昇
研究報告および技術報告 23件
参加者数: 61名
備考:第41回夏期シンポジウム講演論文集 (2005)
「夏期シンポジウム特集」粉体工学会誌 43 (2006)

第2回:通算第4回 グループ会(粉体物性分析測定グループ会と共催)
日時:2005年12月16日(金)14:00〜17:00
場所:八王子市学園都市センター
主題:粉体の静電気計測
講演および討論:
1.「粉体の静電気測定方法」 (春日電機)鈴木 輝夫
2.「表面電位と電荷量測定について」 (トレックジャパン)東尾 順平
3.「音響緩和法による粒子帯電量測定」 (ホソカワミクロン)彼谷 憲美
4.「粉体の電荷保持力の測定」 (北海道大)中島 耀二
5. 総合討論
参加者数:47名